肥満手術とは?
肥満(体重過多)はあなたの生活や健康に影響を及ぼす可能性があります。「肥満手術」はあなたが健康的な体重に近づくための手助けをしますが、あなたの消化のシステムを変えてしまいますので、手術後に元に戻すことができません。ですから、手術を考えるのなら、決断する前にできる限り手術に関して理解しておく必要があります。 この記事はあなたが決断するためのお手伝いをいたします。
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手術の適応条件
肥満は体格指数(BMI)という計算方法で評価されます。BMIは、体重kg÷身長mの2乗(kg/m2)で計算されます。日本人における正常なBMIは、18.5以上25未満です。BMI35以上で肥満が原因で次のような病気がある場合には手術の適応となります。
- 糖尿病
- 心臓、循環器系障害(心臓病、高血圧、不整脈など)
- 睡眠時無呼吸やその他の呼吸器障害
- 高脂血症、高尿酸血症
- 非アルコール性脂肪肝、肝機能障害
- 胃食道逆流(胸焼け)
- 背骨や関節の障害
- 失禁
- 生理不順
- うつ病やその他の精神的な問題
- 肺静脈血栓塞栓症
- 脳血栓塞栓症
肥満治療に対する心構え
肥満手術の目標は超過した体重の半分以上を減らすことです。これにより健康上の問題を改善または防ぐことができます。この手術は美容のために行われるものではありません。以下のことを心に留めておいてください。
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- まずは、手術以外の減量方法を試してください。
- 手術後は食生活を変え、より活動的に過ごさなくてはなりません。
- 多くの場合、体重は手術後徐々に減っていきます。
患者様の役割
手術が成功するかどうかはあなた自身にかかっています。あなたは次のことを守らなければなりません。
- 健康改善に努めること。
- 自分の病歴について外科医と話し合うこと。
- 手術に備えるための指導にすべて従うこと。
- 栄養摂取、運動その他の術後管理に関する指導に注意深く従うことに同意すること。
「肥満手術」チームの役割
外科医は次のような仕事を行います。
- 健康改善に努める。
- あなたが手術可能な状態であることを見極める。
- 手術の危険性と利点を説明し、あなたの疑問に答える。
- あなたにとって最適な処置を行う。
- 順調に回復するよう経過を十分に観察する。
外科医とともにチームに加わるのは
- 内科医:体重を減らすための指導や現在持っている病気の治療を行います。
- 精神科医:体の変化に順応するお手伝いをし、手術前後にわたりお話し相手になります。
- 栄養サポートチーム:手術前後の栄養の取り方や食事指導を行います。
- 理学療法士:体重を減らすための運動について指導を行います。
可能性のある合併症
他の手術と同じ様に肥満手術にも術後に次のような障害を引き起こす可能性があります。
日記頭痛
- 感染症
- 縫合不全(組織を縫合または吻合した場所から消化管液が漏れる)
- 腸閉塞(縫合した場所が狭くなる、腸が癒着し食べ物の通過が悪くなる)
- 肺炎などの呼吸器障害
- 出血(お腹の中、皮下)
- 下肢や肺における血栓
- 脾臓損傷
- 周期的な嘔吐
- 死(麻酔事故、合併症)
消化器の役割
食べ物は噛んだ後、口から食道に運ばれ、次のように消化・吸収されます。
- 胃:食べ物を蓄えた後、ゆっくりと小腸へ送り出します。食べ物の一部は胃で消化されます。また、胃は特定のビタミンの吸収を助ける化学物質を作り出します。
- 小腸:食べ物のほとんどは小腸で消化、吸収されます。酵素と化学物質が食べ物の分解を助けます。液体も吸収されます。
- 大腸:ほとんどの液体は大腸で吸収されます。不用物も凝縮され、便として直腸を通過し、肛門から排出されます。
- 肝臓、胆嚢、膵臓:酵素と化学物質を供給し、これらの物質が消化を助けます。
食べ過ぎで体重が増える理由
食べた物のカロリーは、身体の中で必要なエネルギーに変わります。肥満は必要以上の食品エネルギーを摂取した場合に起こる病気です。余分なエネルギーは脂肪として蓄えられ、脂肪がたまると活動的でいることが難しくなります。活動的でなくなると燃やされるエネルギーも減り、さらに脂肪がたまります。このようにして体重増加の悪循環ができ、さらに深刻な健康の問題へとつながります。
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可能性のある合併症
他の手術と同じ様に肥満手術にも術後に次のような障害を引き起こす可能性があります。
手術の種類
肥満手術は胃の大きさ、小腸の長さ、またはその両方を変えます。めざすのは、一度に食べられる量、吸収される量、そのどちらかあるいは両方を制限することです。
- 摂取制限手術(胃縮小術)は一度に食べられる食事の量を制限します。食べ物を蓄える胃の部分を小さくし、少量食べただけで満腹感を感じることになります。
- 消化吸収抑制手術は身体が吸収できる食べ物の量を制限します。小腸の短い部分しか食べ物が通らないようにするため、食べたもののほとんどがごみとして排出され、エネルギーとして吸収されることはありません。
当院での肥満手術
当院では、病的な肥満症に対して3つの摂取制限手術・処置を行っています。お腹を大きく切って肥満手術を行っている病院もありますが、当院ではお腹にあけた小さな穴から手術器具、内視鏡を入れ、その映像を見ながら手術を進める腹腔鏡下手術という方法で摂取制限を中心とした手術を行います。
1.内視鏡下胃内バルーン留置術
胃内バルーン留置術は、内科治療と外科治療の中間に位置します。通常の胃内視鏡で行う処置で、胃の中にシリコンでできた風船を膨らますことで、一度に食べられる量を制限し、少量の食べ物で満腹感が得られるようにします。
2.腹腔鏡下調節性胃バンディング術
胃の上の方に調節可能なバンドを巻いて、胃を締め付ける方法です。バンドは皮下に取り付けたポートを使って、膨らましたりしぼめたり調節でき、食べ物を通過する速度を変えることができます。バンドによって胃を上の小さな部分と下の大きな部分に分け、上の小さな胃の部分が食物で満たされると満腹感が得られます。
3.腹腔鏡下袖状胃切除術
胃の大半を取り、胃を細い管のようにします。胃をより小さくすることで、一度に食べられる量を制限し、少量の食べ物で満腹感が得られるようにします。食べ物は通常通りに消化吸収されますが、胃を取ってしまうため、手術後に元に戻すことはできません。
2009.12.10 公開
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